歯はただ単に物を食べるためだけにあるのではありません。
「食べる」「話す」「笑う」という刺激は、全身の健康に影響する大切な要素です。
「歯を失ってみて、ようやく不便さに気づいた。」
「日頃から歯科医院に通って、歯を大切にしておくべきだった。」
などと、多くの方が口にされます。
おいしい食事と楽しいお話し、その中で思いっきり笑い合えることが、年を重ねるにつれて、とても大切な時間となることでしょう。
そんな中で入れ歯になり、その入れ歯がもしお口に合わなかったら。。。人生の大きな楽しみが減ってしまうことは間違いありません。
そうして合わない入れ歯を使用し続けることで、口元の“たるみ”や“しわ”などが現れ、10歳以上老けて見えるほど、年齢を左右します。しかし、逆に考えれば、お口に最適な入れ歯によって、10歳以上若々しく見えるということが言えます。
健康なお口の機能でいられることは、若々しさを保つための最大の秘訣とも言えるのです。
当歯科医院では、患者様が入れ歯でお悩みにならないよう、お口の健康状態を丁寧に診断・診査し、お口に最適な入れ歯をご提案しております。
初めての入れ歯がお口に慣れるまでには、数日間は痛みが出ることはよくあります。しかし、その痛みが長い間続くような場合には、入れ歯の再調整が必要かもしれません。
多くの場合、入れ歯との噛み合わせの高さが合わず、入れ歯の内面が歯茎に強く当たっている場合や、歯茎が痩せていために、入れ歯が不安定で擦れてしまう。などの理由があります。
さらに、同じ場所に繰り返し刺激が加わることで、血行が悪くなり、義歯による潰瘍である褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう)ができます。赤や白い斑点(はんてん)のようなものができ、触ると強い痛みがあります。
入れ歯自体の問題ですので、痛みが強くなる前に、歯茎に当たる箇所の調整と、噛み合わせの調整をしてもらいましょう。
日頃の会話で聞き返されることが多く、どうやって改善したらよいのか、お悩みの方は多いようです。私達は言葉を発する時に、口から出る空気の流れを、頬や舌、唇などで微調整して発音しています。入れ歯をお口に入れることでそれらの機能が劣りますから、どうしても発音しにくくなってしまうのです。
上顎の入れ歯の場合、「サ行」「タ行」が、下顎の入れ歯の場合、「ナ行」「ラ行」などが発音しにくいようです。
しかしながら、大きな異物が突然お口に入るわけですから、初めから上手くはいきません。焦らず入れ歯に慣れることが、発音回復の第一歩と言えます。歯科医師と相談し、発音のトレーニングなどを続けて行きましょう。また、どうしても厚みが気になるという方は、金属床義歯のように、床の薄い入れ歯を使用することで、飛躍的な効果が期待できます。
噛み合わせが合わない入れ歯の使用は、顎を歪ませます。そして歪んだ顎と不適合な噛み合わせで、全身にまで様々な悪影響を及ぼしてきます。
全身のバランスは繋がっていますから、顎の歪みが、肩こり、腰痛、膝痛などを発症させることで、頭痛や手足の痺れが出るようになります。症状がひどくなる前に、歯科医院へ相談してみましょう。入れ歯の噛み合わせの調整を行い、改善を図ります。
実生活の使用では問題ないのですが、食事の度に痛みがあったり、外れてしまうような場合にも、噛み合わせが合っていないことが原因でしょう。よく噛めないことで、食物を細かく噛み砕くことができず、消化しにくい固形のまま飲み込むことで、内蔵に負担がかかります。痛みから、柔らかいものばかりを好んで食べるようになり、痴呆症の原因にもなりかねません。
よく噛めて大脳の中枢神経を刺激することは、ボケ防止に繋がり、記憶力の向上、筋肉を鍛えシワの予防に繋がります。若々しく、人間らしく生活していくために、とても大切な行為です。
保険の入れ歯の最大のメリットは、製作費の負担が少ないということです。使用できる材料と治療法に制約があるため、基本的には床(土台)にレジン(プラスチック)を使用した入れ歯になりますが、もっとも経済的に、噛むという機能を追求することができます。
数本の歯が抜けてしまった場合や、連続する欠損でブリッジが行えないなどの場合に、部分入れ歯を製作します。歯が1本だけ抜けた状態から、歯が1本しか残ってない状態にまで対応できます。
レジンで製作した入れ歯は、クラスプ(金属の金具)で周囲の歯に引っかけて固定します。材質上、厚みが出るために違和感が出る方もおりますが、できる限り密着感が出るよう工夫しております。長期間使用していくためには、クラスプをかける歯をしっかりケアしていくことが大切です。
保険の部分入れ歯メリット
全ての歯を失ってしまった方には、総入れ歯が適用されます。総入れ歯は、歯茎で支えなければなりませんので、弾力性のある歯茎にしっかり密着し、安定感のある入れ歯を製作する技術が求められます。
保険の総入れ歯もレジンで製作しますので、精密な型採りを行い、安定した入れ歯作りに努めております。
保険の総入れ歯メリット
自費の入れ歯の最大のメリットは保険の制約がないことです。そのため、患者様のご希望やご予算に応じてピッタリ合う最良の入れ歯を作ることができます。
保険の入れ歯にどうしても馴染めない方や、入れ歯の違和感を小さくしたい方、食感をもっと楽しみたい方などにお勧めの入れ歯です。
金属床義歯は、保険診療でレジン製作していた床の部分を、金属で製作し、強度と快適性を追及した入れ歯です。素材は、コバルトクロム、白金加金合金、チタンなどがよく使われます。
保険の入れ歯では、レジンを厚くして強度を出していましたが、金属床義歯では、床部分に金属を使用します。これにより、強度を確保したまま薄く小さくできるので、軽さと割れにくさを持つ入れ歯に仕上げることができます。
また、異物感が少なく、適度な密着感がありますので、会話がとても楽になります。さらに、床の薄さと金属の熱伝導性によって、食事の熱が敏感に感じられるようになります。お手入れも衛生的で清潔な入れ歯です。
総入れ歯は、お口の中を大きく覆いますので、どうしても嘔吐反射(ゲッとなる)が起きてしまう方がいらっしゃいます。そのような方には、上顎の床の部分を大きくくり抜いた入れ歯を製作します。この入れ歯の場合、密着する部分が減りますので、軽くて精密なチタンが最適です。
金属床義歯で使う金属の種類と特徴
コバルトクロム合金の特徴
入れ歯用として永く使用されてきた金属で、信頼と実績があります。
レジン製の入れ歯の約3分の1の厚さでありながら耐久性に優れているので、口腔内にしっかり適合するように作ることができます。
チタンなどに比べてしまうと、軽さや熱伝導性には劣りますが、充分な快適性を実感いただけます。
白金加金合金の特徴
金は柔らかく伸びが良いため加工しやすく、口腔内と適合性の良い入れ歯を製作できます。
酸化しないため腐食に強いことと、高い生体親和性を持ち、金属アレルギーもありません。
暖かい色味なので、お口の中でも目立ちにくい特長があります。
唯一の欠点としては、金や白金を使用しているために、重量が少し増します。
チタン合金の特徴
チタンは現在もっとも優れた素材で、生体親和性の高さと、コバルトクロム合金の約2分の1という重量から、インプラントの人工歯根や、体内に埋め込むボルトなどにも使用されています。
金属アレルギーの心配がなく、金属臭も全くありません。
保険の部分入れ歯では、クラスプを歯にかけて入れ歯を維持しているため、支えとなる歯には常に負担がかかっています。維持する歯がダメになってしまったら、その度に支える歯を変えていかなければなりません。これを繰り返していては、最終的に総入れ歯になってしまうことでしょう。
磁性アタッチメント義歯は、残っている歯や歯根だけになってしまった歯に、金属のキャップ(キーパー)を埋め込んで土台とし、入れ歯側に組み込んだ小型磁石の磁力により、しっかり維持させます。維持する歯への負担が非常に少なく、安定した密着感の高い入れ歯です。
さらに、金属床で製作することで、強固な安定感と快適性を求めることができます。
磁性アタッチメント義歯のメリット
磁性アタッチメント義歯のデメリット
磁性アタッチメント義歯の特徴
※金属床で製作した場合。
金属を全く使用ぜずに、ナイロン樹脂(スーパーポリアミド樹脂)のみで製作した入れ歯です。弾力性のある入れ歯本体で固定するため、クラスプや金属のフレームがなく、快適な入れ歯に仕上げることができます。透明感があり、歯茎と同じ色調で作れるため、自然な見た目です。
しかし、噛み合わせの際に入れ歯が沈み込見過ぎると、歯茎が傷ついてしまいます。そのような場合には、レストという沈み込みを防止する金属性のストッパーを付けます。レストを付けて歯茎への負担を軽くすることで、より快適にご使用いただけます。
ノンクラスプ義歯のメリット
ノンクラスプ義歯のデメリット
ノンクラスプ義歯の特徴
2重構造の維持装置(内冠と外冠)により、茶筒や2枚重ねた紙コップのように、摩擦の原理によって入れ歯を維持・安定させます。
土台となる歯に内側のクラウン(内冠)を被せ、その被せ物にぴったり重なり合う外側のクラウン(外冠)を入れ歯側に固定します。接着するわけではないため、もちろん取り外しすることができます。
ミクロン単位での精密さが必要とされるので、行っている歯科医院は少ないです。
コーヌス義歯のメリット
コーヌス義歯のデメリット
コーヌス義歯の特徴